常識的な男女の、すれ違いはあれどごく穏やかな恋愛模様を丁寧に描いた作品だと思いました。余計なところや足りないところがなく、本当にハーレクインロマンスのお手本のようですね。この時代にありがちな傲慢ヒーローと跳ねっ返りヒロインカップルではありますが、極端な性格に描かれていないので物足りない人もいるかも知れませんが私にはちょうど良かったです。 わたぬき先生は絵もさりげない色気が滲む感じで、これからも、このレーベルで描いてくださると嬉しいです。

表紙を見た時点で、やっぱりクールな眼鏡キャラかな？って思ったんですけど、実際は世間的にはクールな眼鏡キャライメージなんですけど、ちょっと過去に事情のあるポンコツ感が漂うような……？ ヒロインも表紙絵のイメージから強気なしっかり者かなと思ったら、ヒーローに対してはそうでもなくて案外素直な強がりの女の子で、表紙のイメージからいい意味で裏切られました。作品はヒロインとヒーローの軽妙なテンポの良い掛け合いで、こちらの読むテンポもサクサクで気持ちよく読むことができました。二人とも結構大きな心の傷を負っていることが途中で判明するんですが、そこはさすが黒川先生、重要だと読者に知らしめながらもシリアスに偏りすぎない爽やかなお話に仕上げてくださっていて、読後感もとてもいいお話でした。

とても穏やかに流れる川のようなストーリーでした。ヒロインは過去の出来事から少し自己肯定感が低いですがイラつくほどでもないし、ヒーローは成功者ではありますが傲慢なところや突っ走ったところがない、お互いが一歩ずつ歩み寄っていく、そんな大人同士のラブストーリーでした。強気ヒロインと傲慢ヒーローみたいな、刺激的なカップルが好きな方には向いていないかもしれません。また、これまでの曜名先生のラブコメを求めている方にも物足りない部分があるかもしれません。でも、たまにはこんなやさしい物語もいいなと思いました。

相変わらずのベティ小説のテンプレートな設定ですが、もと先生のお得意なジャンルのお話だったからでしょうかとてもよくまとめられていて、手垢のついたお馴染みのお話ではなくとてもキラキラとした素敵なお話として読むことができました。元婚約者はイヤな男ではありましたが、それほど嫌悪感を抱かずに済んだのはヒロインの強さと優しさ、それをうまく料理出来た物語の運び方にあったと思います。読後感もよくて胸がじんわり暖かくなるお話でした。

愛というものに臆病で疑いを持っていて一歩足を踏み出せないヒーローと、その背中を前向きに押そうとするヒロインはハーレクインのテンプレの一つだと思いますが、このお話はヒーロー＆ヒロインともに、穏やかなカップルだなあと思いました。よくある感情任せの激高なんていうものもなく、たまに（こんなヒーローとよく付き合えるね？）と思ってしまう話もありますが、このお話は好意的に応援できるお話でした。ヒーローも傲慢って程じゃなくて強引で自信家ってレベルですね。昔から細やかの心理描写や恋愛の機微を描くのが上手で好きな作家さんだったので、ハーレクインコミックスに関わって下さって嬉しかったです。これからも、描いていただけたらなと期待しています。

曜名先生の作品を待ってました！と、購入しました。今回の作品は従来のコメディ多めのロマンスではなく、粛々とした雰囲気の静かな大人のロマンスでした。お話も、絵柄も落ち着きがあります。 　ドラマティックな起伏のある話ではありません。ヒロインも傷ついた経験のある大人の女性でキャンキャン騒ぎ立てるようなこともない、ヒーローもツンデレだったり傲慢だったりという事も無く大人の男性です。けれども、その代わり穏やかな感情でこちらも読むことは出来ました。 　秋にそっと読むには良い作品だと思います。♥がマイナス１なのは、私がこれまでの元気で前向きなヒロインのラブコメ多めな曜名作品を期待していたところがあったからです。

ヒーローの脳天気さと軽さに、買って失敗だったかな？って一瞬思いましたが、それがまたスパイスとなって物語を盛り上げていきました。 この話を一冊にきれいにまとめ上げる力量は、流石高山作品だけある！と感心しました。もうちょっと家族関連を掘り下げて読めたらもっと良かったかなとは個人的には思うんですけど、サラッと読むにはちょうど良い分量なんでしょうね。

シリーズのラストという事もあり、これまでの作品のカップルのその後も幸せに描かれているし、お話も感動的です。 タイトルこそ「無慈悲」ですが、ヒーローの愛情の深さが胸にグッときます。 白井先生の絵も素晴らしく、ヒロインもヒーローも嫌みのない美しさで、思わず見とれてしまいました。 買って読んで良かったなと、素直に思えるお話でした。

ヒロインの妊娠発覚に、ヒーローが子供奪おうとしちゃったり、子供を奪われるかもとヒロインが疑っちゃったりするギスギスした、いつものハーレクインのテンプレートかなと最初は思いました。 けど、このお話は、案外素直なヒーローと包容力のあるただのお嬢様じゃないヒロインで、ギスギスしたところのない柔らかな暖かいお話でした。 すこし盛り上がりに欠けるところが残念ではありましたが。そのへんで♥一つマイナスです。 内田さんはハーレクインの回数を重ねるごとに、絵や作風がハーレクインに合ってきているので、きっと努力されているんでしょうね。これからの作品もとても楽しみです。

さすが荻丸先生。描かれるお話にハズレ無しです。自己評価の激しく低いヒロイン＆原因を作ったヒーローというのはハーレにはありがちな設定ですが、どうしてそうなってしまったかという流れがとても新鮮！ぐるぐる初恋をこじらせて空回りしている二人が、おかしくて可愛くて、最後まで笑顔で読んでしまいました。読後感がとてもいい、暖かくて楽しいお話でした。

砂漠の王との恋愛とのことで、また傲慢シークもの？と思って読み進めましたが、大間違い。ヒーローヒロイン、多少の感情の行き違いがあるものの、大人の落ち着いた恋愛話でした。逆にそこに物足りなさを感じる部分もあり、激情に身を焦がすようなお話が好きな方には向かないかもしれませんね。多少ご都合主義はあれどラストの「めでたしめでたし」的なハッピーエンドには、胸が温かくなりました。大満足です。

村田先生の作品ということで、読むのが楽しみだったのですが、内容が酷すぎます。 絵はとても綺麗。さすが、村田先生です。眼鏡好きにはこのヒーローの見かけはたまりません。 こんな綺麗な絵に内容が伴っていないのがとても残念です。 ヒロインは見かけ倒しの世間知らずにしか見えないし、ヒーローはただ周囲に流されているだけにしか見えません。