父・弟の策略だったとはいえ、ヒロインの言い分を遮り、酷い罵倒を浴びせたヒーローが中々の最低野郎です。弟の懺悔を聞いて誤解だとわかっても「終わったことだ」と言ったくせに、子供がいるとわかった途端にヒロインに会いに行く所が安定の最低っぷり。子供の存在に関わらずに誤解だとわかったのなら謝罪に行け！と怒りがこみ上げてくる。そんなヒーローの立ち振舞いが、愛の言葉を薄っぺらくしている。父に刃向かった所は評価するけど、ヒロインに対しての謝罪が甘いと思う。

ヒーローに事情があったにせよ（その事情を打ち明けていたわけではなく…）ヒロインの事をかなり手酷く振っているのだから、妊娠、出産を知らせることが出来なかった事を、何故知らせなかったと壮大に逆ギレ。ヒーローのそんな姿が胸糞悪かった。更に自分の息子と打ち明けても、信じてもらえないというダメ押し。そんな仕打ちにあっても涙を流して謝るヒロインの心境がとうてい理解できなかった。

ヒーローが最低すぎて、イライラ、モヤモヤが半端ない。ヒロインに対して、罵倒、侮辱は当たり前。バージンじゃなかったからと（バージンを奪った張本人なのに記憶なし）逆ギレし、ヒロインをほったらかしにして再び女遊びにはしる姿は、百年の恋も冷める。夫としての家庭生活もさることながらこれが大企業のトップだと思うと企業の先行きも不安になる。散々、無視していた息子がDNA鑑定で自分の子だとわかると手のひらを返して子煩悩ぶりを発揮してきた所はかなり胸くそ悪かった。ヒロインも今までの非道をすんなり許すし、ヒーローにはもう少し痛い目あって欲しかった。読み返すとイライラするから、もう読まない。

ラストは想いが通じ合うけど、初見だけだとヒーローの気持ちが掴みきれず、愛の告白も唐突に感じて何だかなぁ、な展開。結婚してから嫉妬や束縛があったけど、それは単にプライドからくる執着のように思えたから、ヒーローが実は前から愛していた告白に、えっ？そんな表現あった？？と何回も読み返してしまった。絵柄なのか、ヒーローも表情がわかりづらいし… ヒロインも愛さないように虚勢を張っていた所は切なくて、応援したい気持ちになっていたけど花束やプレゼントにあっさり負けてしまって拍子抜け。ラストも駆け足で物足りなさが残った。

ヒロインと娘以外、見事に登場人物が最低です。 ヒーローもあれだけヒロインを侮辱しながら、何かと理由をつけてつきまとう様子はストーカーレベルで粘着質。ヒロインを怒鳴る人相は犯罪者のようだった。ヒーローに少しもときめくことが出来ず、嫌悪感ばかり覚えた。よくヒロインも寄りを戻したと言葉を失う。最後、ヒーロー家族もヒロインが冤罪とわかり謝罪するけど生ぬるすぎて消化不良おこした。

ヒロインの友人は性格にかなり難アリで、よく友人関係を保てていたなと思う。そんな難アリ女性を割り切った関係で遊んでいたヒーローの見る目のなさ、節操のなさが気になった。こんなヒーロー嫌だし、ヒロインも友人の諸々のエピソードもあってよくヒーローに惚れたなって呆れてしまう。 まぁ、身体の関係を二股しなかった所だけは、ヒーローを評価する。

式当日のドタキャンなんて酷すぎる仕打ち。流産したことを素直に伝えなかったヒロインにもモヤモヤするし、ヒーローはヒーローで嘘をつかれたという勘違いで、式当日にヒロインを置き去りにしたという…人間性が最低すぎる。 最低の屑ヒーローですが、流産だったという真実がわかり、何故か、再びヒロインにアプローチする始末。完全に屑過ぎる。 当初はヒロインは拒絶していたけど、ヒーローの魅力に抗えないHQパターンで結ばれる。 ヒーローがボロボロになりながらも過去を悔いて、懺悔するならスッキリするけどそんな描写もさほどなく、割とすんなりくっつくので、読後感はかなりモヤモヤしたのが残る。

とにかくヒロインがヒステリックで、我が儘です。作中、ヒーローに（イライラは）ホルモンのせいだと言い訳しますが、違うだろと突っ込みたい。確かに妊娠中は個人差はありますが情緒が不安定になりやすかったり、イライラしやすくなることもあります。それを考慮してもヒロインのヒステリックさには辟易しました。ヒーローが素敵だった分、ヒロインの魅力なさが際立っていました。

他の方のレビューにもあった通り、長年ヒーローが好きだったのに、ヒロインが他の人の子供を身ごもるのが共感できず…物語に入り込めませんでした。